私は電車や、車の窓から
街の景色をみるのが好きです。
とりわけ、夜の街の明かりを見るのが好きです。
この数えきれないほどの窓の明かりのひとつひとつに
物語があると思えるからです。
今日は 「花いくさ」 という野村萬斎主演の映画を見ました。
初代の池坊専好というお坊様を
野村萬斎が重すぎず、軽すぎず絶妙に演じています。
伝統の重さと、笑いという軽妙さは、さすが狂言にも通づるところがあります。
花はそれぞれに美しいものです。
チューリップも、薔薇も、タンポポも、梅も、さくらも、
それぞれが、それぞれの美しさを持っています。
初代池坊さんは本当に花がすきだったのだと思います。
私は人が好きです。
人と話したり、人の話を聞くのが本当に好きです。
人が100人いたら、100人の
それぞれの人生に、
小説よりも稀有で、
映画よりも泣けたり、笑えたりする、
素敵なドラマを持っています。
そんな普通の人の持っているドラマを
垣間見るのが大好きです。
花がそれぞれに美しいように、
人もみんなそれぞれが、
比べようのない美しさを持った咲き誇る花ようだと思います。
そんな、
一人一人の持っている美しく貴重な物語を
しあわせな方向に少しでも持っていけたら
私はこの上ない幸福を感じます。
みんなが幸せになるように、
夢が叶いますように、
初代池坊さんが花を愛したように
稚拙ながら
人が好きで好きでたまらない私は
目のまえの誰かに全力で愛を注ごうと思いました。
そんな愛ある映画でした。